2012年10月6日土曜日

妖精たちの夜(II)/エリアーデ

森の中で出会った女性と運命的な恋をする。
二人とも完全な両思い。
でも、その時、すでに男には妻と子供がいた。

男はその女性と妻を同時に愛することを望むが上手くいかず、女性と別れ、妻を十分に愛してあげることもできないまま、戦争で妻と子を失う。

それから男は死んだように暮らしていたが、周りの人々に諭され、再び、別れた運命の女性を探す。そして、出会ったときから十二年後、再び、森の中で女性に再会する。

女性は既に別の男性と結婚していたが、男を見て動揺する。初めは拒否するような言葉を言い放つが、男への思いは隠せない。
そして、車の運転中、お互いに同じ思い(あなただけを愛することが運命づけられていた)を告白し、男が寄り添い女性が目を合わせたところで物語は終わる(事故に遭い二人は死んだかのようにも思える)。

妖精たちの夜は、第二次世界大戦をはさんで過酷な運命にさらされるルーマニアのさまざまな知識人たちを描いた物語だが、上記のあらすじでわかるように、その骨格には悲劇的な恋愛がある。

その昔、眉村卓のショート・ショートで、お互いにとって100%の相手と出会った男女が、触れあった瞬間にこの世から消えてしまう物語を読んだのを記憶しているが、あるいは、本当の理想の恋愛とは、それだけで十分なものなのかもしれない。

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